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平成21年度事業計画について

 商品先物業界は、依然として厳しい状況が続いており、昨年度に続いて、全国4商品取引所の総出来高が5年連続の前年度割れが確実視されている。特に、昨年後半からのリーマンブラザーズの破綻をきっかけとした世界経済の急激な悪化は、国内経済にも大打撃を与え、景気後退はもとより商品先物市場、為替市場、証券市場等においてもこれまでに経験したことのない時間軸での価格変動を引き起こし、「百年に一度」と形容されている。
  こうした中で、昨年末には「産業構造審議会商品取引所分科会(産構審)」において、「使いやすい」「透明な」「トラブルのない」商品先物市場を目指した答申がなされ、この答申に沿って商品取引所法の改正が進められているところである。
  また、本所においても、昨年9月に会員、当業者、消費者代表、学識経験者等の方々で構成する「中部大阪商品取引所研究会」を立ち上げ、本年2月に「中部大阪商品取引所研究会報告書」として提言を頂いたところである。その提言においても、産構審報告書の3つのキーワードを基本的前提にされ、本所の目指すべき基本ビションとして、(1)産業インフラの役割の重視(2)「東京市場」との相互補完・競争関係を維持する機能の発揮が打ち出されている。
  本所としては、この基本ビションのもとに、提言にある「ビジョンに基づき求められる対応」に沿って、本年度の事業計画を積極的に推し進めて経営基盤の確立を図ることとする。

  本年度の主要な課題は、以下のとおりである。


1.  「使いやすい」商品先物市場を提供する取引所として

  (1)  東京市場との差別化と相互補完
取引の集中による独占の弊害防止と国内における大規模災害時の補完機能を果たすべく市場を再構築するために、取引の活発化が見込めない商品の上場廃止と、同時に、新しい商品の上場を推し進めるスクラップ・アンド・ビルドを実施する。
また、それを機会に取引所名称の変更についても関係者の意見集約を図る。
  (2)  顧客としてターゲットとする投資家層への対応
これまでの当業者等への対応とマーケティング活動の継続に加えて、資産運用を目的とする投資家の参加促進を図る広報活動に努める。
加えて、業界団体と歩調を合わせながら、中小事業者にも利用し易い制度設計について検討を重ねる。
  (3)  利用を促進し魅力を向上させるための取引所における品揃えの多様化
「金(gold)」地金を平成21年10月に上場することを実現すべく全力投球して取り組む。
また、その後、GX(貴金属のロールオーバー取引)、総合商品指数、ニッチ商品等についても研究を積み重ねてその実現の可能性を探る。
  (4)  「板寄せ」取引における現在のメリットと将来ビションを踏まえたコスト面、戦略面での対応方針(ザラバ化する場合における条件設定等)
現行の板寄せシステムを当面前提としていくため、板寄せのメリットについてのPRを積極的に行う。
同時に、将来的に上場商品特性によって検討が必要となる他取引所等の取引システムの委託利用でのザラバ取引仕法の採用についても研究する。
  (5)  ガバナンス強化のための株式会社化と今後制度化が見込まれる金融商品取引所との相互乗り入れへの対応
会員の動向や財務状況を踏まえつつ、機に即して株式会社化ができるように準備を万全としておき、その上で商品取引所法等の改正を踏まえた金融商品取引所との相互乗り入れについても調査していく。
  (6)  ユーザー視点に立った取引制度や設計の見直しと対応
当業者の更なる利便性向上のために、関係者の意見を聞きながら、建玉制限の緩和等の見直しを行う。
また、海外市況との連動性の高い天然ゴム市場や石油市場における値幅制限の拡大等についてその実現を図る。
更に、「金(gold)」地金の上場を機に、立会時刻の見直しを実施することとし、それに併せて、日本商品先物振興協会からの要望を踏まえた時間外取引導入について会員の意見を聴取していく。

2.  「透明な」商品先物市場を提供する取引所として

  (1)  自主規制業務拡充のための取り組み
自主規制業務拡充のための取り組みの一つとして、内部統制の拡充等に努める。
  (2)  相場操縦に対応した体制整備のための取り組み
相場操縦に対応した体制整備のために取引所内部の連携を一層強化することとし、今後、行政当局との連携を可能とする体制整備等についても模索していく。

3.  「トラブルのない」商品先物市場を提供する取引所として

  (1)  「トラブルのない」等に対応した商品設計の改善やそのための新規上場の
実現
「金(gold)」地金の上場に当たっては、低レバレッジの商品設計等の導入を図り、商品先物取引に関心を向ける投資家への導入商品として育ていくこととする。
その後、トラブルの少ないFX取引と同様の仕組みのGX(貴金属のロールオーバー取引)の検討に着手する。
  (2)  JCCHにおける財務要件基準への対応とユーザー視点に立ったロスカット・ルールの導入への検討
本所受託会員のJCCHにおける財務要件基準の緩和を図るため、受託会員の声を聞きながら、ロスカット・ルールの導入へ向けて意見の集約を図る。

以上


中部大阪商品取引所
理事長 黒岩 進
 
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